ゲームに夢中になる子どもを見て、「うちの子、大丈夫かな?」と感じたことはありませんか?
つい「またゲームばかりして…」と声を荒げてしまう日もあるかもしれません。
でも実は、ゲームに熱中する姿の中には、“考える力”や“工夫する力”の芽がたくさん詰まっているのです。
ただ見ているだけでは気づきにくいその力を、家庭で“学び”に変える方法があります。
それが、子どもが自分の言葉でプレイを振り返る「攻略ノート」というアプローチ。
ゲームを“賢く遊ぶツール”として活かしながら、楽しく思考力を育てるヒントをご紹介します。
ゲーム好きな子に秘められた「思考力」
よく観察してみてください。
子どもがゲームをしている時、どんな行動をしているでしょうか?
・マップを見ながら行動を予測している
・アイテムの組み合わせを考えて最適な手順を導き出している
・失敗したプレイを分析してリトライしている
これはまさに、「仮説→検証→改善」という“論理的思考”のプロセスです。
ゲームに夢中になっている時間は、遊びでありながら“学び”の時間にもなっているのです。
“攻略ノート”って何?
攻略ノートとは、ゲームのプレイ内容や自分なりの工夫、気づき、作戦などを「自分の言葉」でまとめていくノートのことです。
自由に書いていいのですが、例えば次のようなことを記録できます。
・どこでつまずいたのか、なぜ失敗したのか
・どうやってクリアできたか、その工夫
・攻略に使ったアイテムや手順の順序
・次に挑戦したいことや目標
このノートをつけることで、ゲームがただの“消費行動”ではなく、“知的活動”に変わります。
攻略ノートが育てる4つの力
1. 思考の整理力(論理的思考)
「なぜ失敗したのか」「どうしたら上手くいったか」を振り返ることは、原因と結果をつなげる練習になります。
これはそのまま、算数の文章題や理科の実験、作文の構成にも応用できます。
2. 言語化の力(国語力)
「言葉にする」という作業は、思っている以上に高度な力が必要です。
子どもが「わかっているつもり」でも、ノートに書こうとすると意外と詰まる場面も。
でも、その“詰まり”を超えることで、語彙や表現力がグッと伸びます。
3. 継続力と振り返り習慣
日々書くことで「昨日より上手くいった」「この方法はダメだった」と、自然と“振り返る力”が身につきます。
これは学習習慣を身につける第一歩として、とても大切です。
4. 問題解決力と計画力
ゲームの攻略には「次はこうやってみよう」という仮説や「まずこれをしてから…」という段取りが必要です。
それをノートに残すことで、論理的な手順を考える習慣が生まれます。
どうやって始めればいい?親の関わり方のコツ
攻略ノートは、無理にやらせるのではなく、「おもしろそうだね!」と共感しながらスタートするのがポイントです。
親御さんがやるべきことは、評価ではなく「質問」と「共感」です。
・「どうやってクリアしたの?」
・「その作戦って自分で考えたの?」
・「このノートすごいね!本みたい!」
こうした言葉がけで、子どもは「自分の工夫が認められた」と感じ、自発的に書きたくなります。
紙のノートでも、アプリでもOK
紙の自由帳に絵と文字を組み合わせてもいいですし、iPadやスマホで簡単に記録するのも現代的です。
写真を貼って、感想を書き込むスタイルもおすすめ。
続けやすさを重視して、子どもが「やってみたい!」と思える方法を一緒に見つけましょう。
ゲーム=悪ではない。学びに変える視点を
ゲームそのものが“悪”なのではなく、「どう向き合うか」が大切です。
親の役割は、禁止することよりも「その経験をどう学びに変えるか」を支えること。
攻略ノートは、ゲーム好きな子どもが「自分の好きなこと」を活かして、思考力・言語力・表現力を育てられるツールです。
子どもの「好き」は、伸びるチャンス
ゲームが好き=学力が下がる、というのは思い込みかもしれません。
むしろ、「好きなことに夢中になる力」は、学びの源です。
“攻略ノート”というアイデアを使って、お子さんの中に眠る「考える力」「伝える力」を育ててみませんか?
親も子も前向きになれる、新しい「学びとの付き合い方」が、そこにはあります。