「朝は時間がない」「ゆっくり勉強させる余裕がない」――そんな日常に追われるご家庭こそ、ぜひ活用していただきたいのが“ながら知育”です。
朝のたった5分でも、ちょっとした声かけや習慣で、子どもの“考える力”や“言葉の力”は自然と育ちます。
机に向かわなくてもできる「朝の知育習慣」を取り入れて、家族の時間がもっと楽しく、もっと豊かになるヒントをご紹介します。
“ながら知育”とは?
“ながら知育”とは、何かをしながら自然に学びのエッセンスを取り入れる方法です。
特別な準備も教材も必要ありません。
朝の準備や移動中、食事中のちょっとした会話や動作の中に「学び」を仕込むだけでOKです。
毎日くり返される“ルーティン”の中にこそ、子どもの脳が刺激を受けるチャンスが眠っています。
朝の5分でできる!“ながら知育”の実例アイデア
1. 着替えながら|「今日は何色?何枚着る?」で言葉と数を育てる
服を選ぶときに、「シャツの色は何色?」「今日は寒いから、何枚重ねようか?」と問いかけることで、色彩認識・気温感覚・数の概念を育てられます。
「赤と青、どっちが好き?」といった比較や、「今日は昨日より寒いね」という気温への気づきも、“科学的思考”の芽生えになります。
2. 朝ごはんの時間|「数えてみよう」「順番に並べてみよう」
・トマトが何個ある?
・バナナを半分に切るとどうなる?
・ごはん→お味噌汁→野菜の順で食べたら、どんな順番になる?
こうした声かけだけで、“数・順序・分類”の基礎が身につきます。
会話も弾み、朝の時間が楽しくなります。
3. トイレや歯磨き中|「なぞなぞタイム」で語彙と発想力UP
「白くてつぶつぶで、食べると甘いものってな〜んだ?」
「水に浮くけど、重いと沈むものってな〜んだ?」
なぞなぞは、柔らかい発想力と語彙力を同時に伸ばす絶好の知育コンテンツ。
時間を計らずにできるので、トイレや洗面所での“待ち時間”にもぴったりです。
4. 保育園・小学校までの道で|「見つけてビンゴ」で観察力を養う
「赤い車を見つけたら1点」「犬を見かけたら2点」といった“観察ビンゴ”を道中で取り入れてみましょう。
・交通標識を覚える
・季節の草花を知る
・人の動きを観察する
歩きながらでも、目と耳と脳はどんどん働きます。
ゲーム感覚で、外の世界への好奇心が広がります。
5. 行ってきますの前に|「今日の目標ひとこと」
「今日、頑張りたいことを1つ教えて」と声をかけると、子どもは“自分で考える”力を意識するようになります。
「今日はお友だちに優しくする」「先生の話をちゃんと聞く」など、小さな目標を言葉にするだけで、自己調整力(非認知能力)につながります。
なぜ「朝」なの?子どもの脳が一番フレッシュな時間帯
子どもの脳は、起床後1~2時間がもっとも活性化すると言われています。
このタイミングで“考えるきっかけ”を与えてあげると、吸収力が格段に高まるのです。
「朝の時間が忙しくてイライラする…」という方も、無理に時間を増やさず、“いつもの動作をちょっと変える”だけでOK。
声かけ1つで、親子の心の距離も近づきます。
学習が得意じゃなくても大丈夫!親の“関わり方”が何より大切
子どもは、親の「関心」に反応して伸びていきます。
大切なのは、「教えること」ではなく「一緒に考えること」。
「うまく答えられなかったね」「じゃあ一緒に考えよう」と寄り添う姿勢が、子どもにとっては何よりの安心感と自信になります。
勉強が得意じゃなくても、学歴が高くなくても関係ありません。
親子で“考えることを楽しむ”姿勢が、子どもの学ぶ力の土台になるのです。
朝の5分で、今日も“学びの芽”を育てよう
忙しい朝だからこそ、“ながら知育”は親子の学びに最適なスタイルです。
机に向かわなくても、特別な知識がなくても、「ちょっとした声かけ」や「一緒にやってみる」だけで、学びの種は芽吹いていきます。
今日の朝は、「お味噌汁の中に何が入ってる?」「お天気はどんな気分かな?」から、始めてみませんか?
たった5分の会話が、子どもの脳をしっかり刺激してくれるはずです。